会議の進め方(司会進行編)

<目次>
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【1】開始
【2】ルール役割の確認
【3】議事録の投影
【4】進行表の消化
【5】ことばの確認
【6】遅刻中座の対応
【7】反感を買わない方法
【8】終わり方


【0】会議前

会議室に定刻より早く来た人に、雑談をもちかける
会議のテーマに関連することで、自分が悩んでいることや懸案を笑顔で話す
仲の悪い人や「壊し屋」には「おつかれさまです」「お時間をいただきありがとうございます!」と明るい顔、大きな声で挨拶する。 苦手な人には先制攻撃!


【1】開始

会議をスタートさせたら、参加者の気持ちを明るくさせて、好意的かつ積極的に会議を楽しんでもらう

定刻開始
「それでは定刻になりましたので・・」と当然のように始める

「会議は定刻に始めましょう」などと、会議室の壁に標語を貼っても無意味。 すぐそれは「風景」になる
会議が定刻に始まらないのは、その会社の風土。司会者が「自分が変えていくのだ」という気持ちを持たねばならない

・司会者の準備が遅れて、定刻になってもパソコン内のファイルを探したり、プロジェクターが映らないと悩んでいたら、雑談大会が始まる。その会議はそれで失敗。緊張感は吹っ飛んでしまう
会議の事前準備(進行担当者編)
会議室に入ってからのパソコン準備

「まだ お2人お見えでないので、今しばらくお待ち下さい」
と遅刻者を待たない
上長が同席する会議では「どんなに偉い人が遅刻しても定刻開始してよい」という事前了解を得ておく
「定刻になりましたが、まだ(もごもごと口ごもり)来ておられないので」という猿芝居には誰もが興ざめする
もしも、定刻に人が揃っていないというみっともない状況になった場合、それを正直に話す
 「私の力不足で(人が集まっていなくて)早く来ていただいた皆さんには申し訳ありません」

場を和ませる軽いジョークから入る
進行役は話している時は常に「笑顔」か「アルカイックスマイル」を心がける
参加者の発言に怒りの感情が生じた時は、無表情を貫く。 怒る人には誰も共感しない

電気は消さない
資料をプロジェクターに投影する時も、部屋の電気は真っ暗にしない
真っ暗になると、大半の人が眠くなってしまう
パワポ映画館 会議で寝ていることがバレない方法
喫煙、冷暖房、休憩の確認
社外の人、ビル外の人が来た場合、喫煙場所を説明。フロアの見取り図をプロジェクターで映して
「当ビル内設備についてご説明します。非常口は前方3箇所・・」
とやるとうける
90分を超える会議では途中休憩を入れることを予告
チーム・マイナス6%に参加している場合、
「当社は冷房の設定温度を28度にしています。上着はそちらの荷物置き場へ。よろしければネクタイもお取りください。見ている方が暑苦しいですから(笑) ただし、男性の方はシャツのボタンをはずすのは1つまでにしてください(笑)」

進行内容の確認
議題に入る前に進行表を確認して会議の流れをつかんでもらう
進行表は板書するとよい
紙で配るのは、環境保護の精神に反していて時代遅れ
スクリーンに投影すると、他の資料の時に隠れてしまい、参加者が流れを確認できない

説明
事前に計画しておいた通りに「5分の議題が3つ、メインの議題に40分をかけて、予定時間の60分以内に終わるという進行で行きたいと思いますが、皆さんよろしいですか?」と提案、同意を得てから始める

禁句
「お手元のアジェンダをご覧下さい」
「今日のゴールは・・・」
これらの言葉は2000年代初頭、先進を気取る企業によりプレゼンで使われ始めたが、いけ好かなくて浸透していない。それを時代遅れでなぞっている哀れな姿を、参加者は冷ややかに見ている

資料の確認
板書した進行表だけを確認する
「お手元の配布資料」を確認するのは時間の無駄

えらい人の前説はカット
予定調和的に突然、エライ人に振らない
「なんだよ突然・・ じゃとりあえず、おつかれさん!」
で始まる偉い人の講演でその会議は死ぬ
喋らせないと後で報復してくるようなエライ人の場合は、事前に「話してほしいこと」「持ち時間」を伝えておく

【2】ルール・役割の確認

次のことを冒頭に確認する

議長、書記(議事録記録担当者)、議事録公開方法を明らかにする
*氏名入りで公開することの布石。下手な発言は議事録で広く周知されてしまい、発言者は信頼を失う。次回以降の会議に効いてくる

発言は挙手をして、議長の指名を受けてから
*この確認をしなかった会議は、隣りに座った人との分科会が集まった合同分科会になる

発言は手短に
「進行にご協力をお願いします」

【3】議事録の投影

議事録はパソコンでとる
パソコンをプロジェクターにつなぎ、スクリーンに投影する

発言者、発言内容を記録
誰が何を言ったかが証拠として残るということを、視覚で訴える。こうすることで「下手なことは言えない」と参加者の真剣さが増す

合意したことは、 合意事項 と明示して記録
決まったことが明確になる。会議は決める場であるという意識づけができる

会議をコントロールするためには、司会者自らタッチタイピングで議事録を打ちながら進める。そうすると、参加者の集中力が格段に増す
タッチタイピングがタダでできるようになる方法

【4】進行表の消化

議事が一つ終わるごとに、板書してある進行表に線を引いて消していく

予定時間に対して進行が遅れていないか常に意識する

遅れている場合、さっと時計を見て「ちょっと遅れてますね」と軽く言う

遅れているからと言って、重要な議題を残して「じゃ時間が来たのでうち切ります」ということはしない。貴重な時間を使ったことに見合う成果を出すことが大前提と心得る


【5】ことばの確認

コンピューター・システム部門、経理部門の人などが専門用語を使った時、自分がわからない言葉だったら言葉の意味を確認する
定義があいまいな言葉、意味がいろいろな取り方ができる言葉は「今後、この言葉はこういう意味で使いましょう」とその場で定義する

自分がわからない言葉は周りの人もわかっていない。使っている人もわかってない事だってある。確認することで安心感が漂う効果がある。「偉い人」が使った場合は、つっこむと空気が壊れるのでスルーする

【6】遅刻・中座への対応

遅刻・中座をしておきながら、「僕が聴いてないだけかも知れないけど・・」と既に終わっている話しを持ち出す人がいる。こういう場合、満面に笑みをたたえて
「それはあなたが聴いてないだけですよ」
「来られる前にお話したんですよ」
と釘をさす
これを言わないと全員のモラルが下がる
これを言わないと、あぁこの司会者も ことなかれ主義の人 だなと見限られる

【7】反感を買わない方法

遅刻・中座、議論の混ぜ返しをする会議の壊し屋に対して、司会者は毅然とした態度を取らなければならない
だが、得てして壊し屋に限って根に持つタイプである
そこで、後々の会社人生がやりづらくならないようにする方法

壊し屋には日頃から、好意を見せておく
・明るく挨拶する
・時々電話する

会議の中で
壊し屋に毅然とした態度を取る時、顔で笑って言葉はきつく言う
練習しておかないとできないので、一人きりの時に練習しておく
【例】にっこり笑って「それはさっき言いましたよね」

会議でつるし上げておいて、終わってからフォロウしても遅い
気分を害した後では遅い
壊し屋に必要なのは先制攻撃
きついことを言われても、壊し屋が笑っていられるよう、前もって下地を作っておく必要がある

会議ではいいカッコをしても、壊し屋から「粋がったやつだ」と目を付けられて、一生辛い思いをするのは自分である

【8】終わり方

会議の終わりには、次のことを確認する
合意事項 決まったこと
課題(宿題)をクリアする担当は誰か
次回開催テーマ、日時(開始/終了)、場所、幹事(世話役)
議事録の公開について告知

「それでは、ありがとうございました」と散会を宣言したら、即座に荷物をまとめて席を立ち部屋を出る
司会者が延長戦の話を聞いてしまうと、議事録の内容がひっくり返ったりする。それが参加者に無力感を与える
司会者がだらだらと居残ると「大事なことは会議のあとで決まる」という風潮がはびこる

色々な工夫をして臨んでいても
「今日のために勉強しました」
「これだけ準備しました」
会議の本を読みました」
のような自己宣伝をしない





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