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デコのW杯 2006
デコが出場するW杯 、全試合の内容
ドイツからデコファンクラブメンバーがレポート!
→デコドイツレポート
→2006年W杯ポルトガル代表
6月8日
練習中にコスティーニャと衝突して負傷。ルイス・フェリペ・スコラーリ 監督は「デコのアンゴラ戦出場は12時間前に判断する」と談話を発表した
6月10日
デコは出場できる状態にあると申し出たが、スコラーリ監督はデコ欠場を選択
■ デコ故障再発のリスクを回避
■ デコの体力温存
■ デコ不在 布陣のテスト
決勝まで7試合を見越してこの3つの観点から判断したと思われる
D組第1戦 アンゴラ 0−1 ポルトガル BS1が生中継
デコは国歌斉唱に並んでいない。メンバーリストでは怪我=injury を示す i マークが付く。出場メンバーより早くサブメンバーとして入場。試合終了までベンチ中央に座り観戦した
→デコドイツレポート
替わって出場したのはNo. 19チアゴ。本来デコの役割である2列目中央でゲームを組み立てる仕事はフィーゴが担う
かつての宗主国に気を遣ったのか、ホーム扱いのアンゴラがセカンドの白、アウェー扱いのポルトガルが1stのワインレッドを着用。No.7フィーゴがキャプテンマークを巻く
アンゴラの7番フィゲイレドは両親がポルトガル人。アンゴラで生まれ、祖国のためにとアンゴラ代表入りを選択した選手
開始早々、W杯最短ゴール記録11秒を破るかというシュート。
(過去の記録11秒は2002年大会でトルコの選手が記録。公式記録は1分)
4分にフィーゴのクロスを No.9パウレタが決めて先制。今大会ここまでに登場したどの国よりも強い!と思わせたのはここまで
後は大過のない試合運び。後半はさらに減り張りのない試合運びとなり、ファンは応援に飽き「アンゴラ」コールをする始末。デコは呆れたのかベンチで完全な観戦モードに移行した
後半37分にはNo. 10を引き継いだビエナがW杯初出場
デコがいなくても1点を守りきって勝つという意義のある初戦となった
スコラーリ監督は2002年W杯 で7連勝しており、この勝利でW杯監督新記録8連勝となった
ポルトガルはW杯12戦連続引分けなし(7勝5敗)というW杯記録を更新中
D組第2戦 ポルトガル 2−0 イラン 地上波フジテレビ が生中継
デコW杯初出場!
【プレビュー】
ついにこの日がやってきた
2005-06 シーズンはリーガ より、CL より、何よりもこのW杯 にデコが無事出場することを願ってきた
一試合お預けを食い、もしや監督とデコの間に不協和音でもあるのかと疑心暗鬼にさえなった。だが、放送開始時のメンバーリストにデコの名前を確認して「よかったなぁ、おめでとうデコ」と画面に向かって声をかけた
恐らく競技場のスタンドで、テレビの前のお茶の間で、世界中のデコファンが同じ思いでいただろう
【試合前】
テレビが映し出した先発フォーメーションでは、ポルトガル代表での定位置2列め中央に入る。右フィーゴ、左クリスチアーノ・ロナルド
ユニフォームは1stワインレッド。キャプテンマークはフィーゴがつけた
入場前、通路で出番を待つデコ。水でもかぶってきたのか既に髪がかなり濡れている。先頭でペナントと交換用ボールを小脇に抱えたフィーゴが「デコ!」と列のまん中あたりに並んでいるデコになにやら叫ぶ。言葉は聞き取れない。言われたデコはきょとんとして「はぁ・・」という表情。この二人の関係は大丈夫なのか?まだフィーゴにはしこりが大きく残っている印象を受ける
「デコ−フィーゴ不仲説」については試合前、デコがムンドデポルティーボに寄稿している。→ESCRIBE DECO
デコ入場時にはいつもチェックすることがある。それは
デコがいつシャツを出すか?
サッカー競技ではシャツはパンツの中に入れなければならない。中高校生の試合ではシャツを出していると注意を受ける。プロ選手はさまざまで、シェフチェンコ はいつもパンツの中に入れているが、ロナウジーニョ は出している
デコがシャツをパンツの中に入れているのを見たことがない
ゲーム前だと審判に注意されるかも知れないので、キックオフ後に出すのかと注視していたら、入場前から出している。(元々入れていない) だが、ここはW杯
各国リーグでは、ユニフォームを引っ張るくらいではファウルを取られないが、今回厳格に適用した結果が、初めの21試合で102枚のイエローカード。ベッケンバウワーが苦言を呈したと報じられているが、選手にプレーの質の低さを言っているのか、審判にむやみに警告するなと言っているのかよくわからない
カメラアングルで入場の列では確認できなかったが、国歌斉唱の整列ではもうシャツは出ていた。デコは国歌を歌っていなかった。それがポリシーなのか、それとも、2003年にフィーゴからメディアを通じて「国歌は歌えるようになるだろうけど・・」と揶揄されたのが心にあるのか
ユニフォーム の右袖には2006年W杯ロゴの丸いバッチが縫いつけられているが、ロナウドのユニフォームには付いていない
【前半】
0分、敵陣ペナルティエリア内でファーストタッチ。右サイドフィーゴからのクロスに詰めたが右利きのデコは足が合わずシュート打てず
2分、左サイドへの大きな展開はミスキックでタッチを割る。デコ、調子が悪いのか?それとも足の状態を探っているのか?
3分、なんとテレビが映し出したのはベンチ前で、デコがスパイクを履き替えているシーン。欧州サッカーでは初めて見た。実況では「ピッチが固いのだろう」と解説
6分、この時間帯フィーゴがトップ下に位置している。デコは右をカバー。この二人大丈夫なのだろうか?とかなり不安が募る
7分、初めてのコーナーキック左側はフィーゴが右足で蹴る
12分、左からフィーゴがデコにボールを渡し、デコが強烈なシュート、GKが辛うじて弾き、つづくCKは初めてデコが蹴る
14分、右側のCKを2本つづけてデコが蹴る
15分、初 ファウルを受ける。FKはフィーゴが蹴る
44分、デコから前線に走ったミゲルへスルーパス、シュートは決まらず
前半はポルトガルが67%ボールを支配した
【後半】
2分、デコが高く足を上げ初 イエローカード。スコラーリはその瞬間、デコ退場を恐れたのか「あちゃ〜」という表情を見せた。イエロー1枚だけならば、決勝トーナメントには持ち越さない
18分、まさかの瞬間が訪れる。 デコが左のフィーゴへ大きく展開、中央に走り込んだデコへクロスを返す。デコはボレーで右足を振り抜くと、ボールはクロスバーぎりぎりを通過してサイドネットを揺らす美しいゴール
このチームは故障者が出た時にはそれに替わる人材がいるほど層が厚くないと実況アナウンサーに言われ、膠着しきっていたゲームをデコの一振りが変えた
それはまさに A gol que mudou tudo
3年前、そのゴールですべての雑音をかき消したあの日の再現
2006年ポルトガル代表 はこれで名実共にデコのチームとなった
彼はゴールゲッターではないが、節目にはこうして世間を驚かせる星の元に生まれたようだ。W杯二連覇を視野に入れるスコラーリ、そしてデコ。二人の「優勝請負人コンビ」を世間が優勝候補として騒がない理由がわからない
21分、マニシェがペチに交替
25分、デコが3連続CKを蹴る
32分、フィーゴが今大会初となるPK を獲得。フィーゴは欧州予選でPK を外した後「代表ではもうPK を蹴らない」と宣言しており、左右両足で蹴ることができるクリスチアーノ・ロナルドが左に決めて2−0
ロナウドは2005年9月、欧州予選中に父を亡くした。選手と一しきり喜びを分かち合った後、一瞬、天を見上げたのは亡き父へ呼びかけたのではないだろうか
フィーゴが獲得したこのファウル、VTRで見ても確かにPK に値するファウルだが、今大会開幕以来、数多く見逃されてきたファウルと同じランクのプレー。0−0の局面であれば、主審がPK を認めたかは怪しい
35分、デコお役御免の時がきた。初戦も代役を務めたチアゴに交替。ベンチではフェリペが控え選手の青ビブスの手渡しでデコを迎え、労をねぎらう
43分、フィーゴがシモン・サブローサに交替
5分のロスタイムを終え、デコW杯初 勝ち点を挙げた
【試合後】
MAN OF THE MATCH はデコ
デコ共同インタビュー
「ワールドカップはすべての選手にとって特別な挑戦。我々はこのゲームで一次リーグ突破を決めたかった。目的はよいゲームをすること。今後もこの流れの中で続けていきたい。我々はいいコンディションを持っている。勝つこと負けることは我々すべてのチームに課された挑戦。今後も勝っていけると信じている」
これでポルトガルは勝ち点6、決勝トーナメント進出決定
D組第3戦 ポルトガル 2−1 メキシコ
【プレビュー】
デコはイラン戦でイエローカードを1枚受けている。この試合でイエローカードを受けると累積2枚で、決勝トーナメント1回戦ベスト16に出場停止となる。スコラーリ監督がデコを先発から外すことも考えられる
勝ちか引き分けならばD組1位、負けならばD組2位となる
グループ2位の場合、24日にアウェー扱いでC組1位と対戦(地上波NHK)
グループ1位の場合、25日にホーム扱いでC組2位と対戦(BS1 )
C組1位を争うアルゼンチン−オランダは6時間後のキックオフ。アルゼンチンが1位になると想定して、引分け以上の結果を残しておきたい。ポルトガルは過去の対戦成績でオランダには大きくリードしている
一方のメキシコは敗れると、同時キックオフのイラン対アンゴラ戦でアンゴラが勝った場合、勝ち点で並び得失点差の争いとなる。引分けならば勝ち点5でD組2位での決勝トーナメント進出が決まる
引分けならば両チームの利害が一致する。終了間際を同点で迎えた場合、パス回し合戦が行われるのかが興味深い。引分けの場合、スコラーリ監督のW杯全勝が9で止まる。彼は直前の雑誌取材で「ベスト3には入れない」と発言しているが、優勝を視野に入れていないはずがない。大願成就を前に、余禄にこだわることはないだろう
【試合前】
デコはこの試合の欠場をムンドディポルティーボに語っていた
ベンチにも入らず、白いポロシャツを着てロナウドと並んで観戦
スコラーリはイエローカード1枚を持つ選手5人をメンバーから外した
【前半】
前半6分、シモン絶妙のクロスからマニシェが初 得点を決めて先制
24分、マルケスのハンドで得たPK をシモンが決めて2−0。マルケスにイエローカードは出なかった
29分、コーナーキックから今大会初 失点
前半2−1で終了
【後半】
13分、ミゲル(バレンシア )が警告を受けPK を与えるが、ブラボが上にふかして外す
16分、メキシコのペレスがシミュレーションで2度目の警告となり退場
16分、ミゲル→フェレイラに交替
18分、ブラボがGKと1対1の場面を上にふかして外す
19分、マルケスに警告
24分、ポスティガ→ヌーノ・ゴメス
35分、フィーゴ→モルチ キャプテンマークはヌーノ・ゴメスが引き継ぐ
残り2分はポルトガルがボールを回して終了
この試合でイエロー1枚をもらったミゲルを早々に交替させるなど、決勝トーナメントに向けて万全の策をとった。これで23人中20人が出場した
ポルトガルはD組1位となった。これによりベスト16の試合はBS1 中継となる。D組2位ならば地上波 放送だった
その後は、以下の通り
ベスト82日0時 ニッテレ
ベスト46日4時 BS1
決勝 10日3時 CX
決勝トーナメント1回戦(ベスト16)
ポルトガル(D組1位) 1対0 オランダ(C組2位)
【プレビュー】
ここからはノックアウト 。負けが許されない試合に移行する
負けが許されないCL決勝で2戦2勝のデコ。いよいよ真価を世に問う第一ラウンドが訪れた。DECOM 予想は2−0でポルトガルの勝利
【試合前】
入場を待つ列のデコ。顔に緊張の色が無く、無邪気な悪坊主のように見える
オランダはセカンドの白いユニフォーム。ポルトガルは4戦連続でワインレッドのファーストユニフォーム。デコは既にシャツを出している
選手は今日も肩を組みポルトガル国歌を大声で歌う。デコは口を動かしているが、どうも口まねっぽい
【前半】
2分、ファンボメル がロナウドにファウル、イエローカード。ここから史上希にみるイエロー乱発が始まる
7分、ブラルスがロナウドの右足にスパイクを立てる。レッドカードでもおかしくない蛮行にイエローカード
9分、デコがボールに絡み始める。どこでもデコ の始まり。ペースがポルトガルに移る
14分、ロナウド外に出て右足太ももにテーピング
18分、サブの選手がウォームアップに入りロナウド交替に備える
19分、マニシェがファンボメルにファウル、イエローカード
23分、ロナウドが右タッチライン沿いにボールをはたく。確かそこにはデコがいる。これは決定的な好機だ。予感は的中。デコが入れたクロスをパウレタが走り込んできたマニシェに流す。マニシェ冷静にDFを一人かわして右隅へゴール!
陸上トラックがあるため、ゴール奥の広く空いたスペースに走りポルトガル・サポーターに歓喜のアピール
26分、サブ選手のウォームアップが一旦終了
29分、デコのループシュートはバーの上へ
31分、コスチーニャにイエローカード
33分、ロナウド→シモン ロナウドの右足の状態はかなり悪そうだ
43分、デコがファンボメルに足をかけ、一瞬ひやりとする。デコがファンボメルに強く当たるシーンは他にも何度かあった
43分、ペナルティエリアすぐ外でFKを与えるが、シュートは枠の上に外れる
45分、シモンが右から突破、クロスをパウレタがシュート。GKが好セーブ
46分、コスチーニャ2枚目のイエローカードで退場。スコラーリは「なんてこったい」という表情。前半は1−0で終わる
【後半】
10−11、一人少ないポルトガル。後半開始前スコラーリが動く。パウレタ→ペチに交替。シフトを4−3−2に替える
4分、コクーのシュートはゴールかと思ったがポスト
5分、ペチがファンボメルにファウル、イエローカード
6分、ファンボメルがシュート。リカルドぎりぎりの好セーブ。守勢がつづく
8分、フィーゴのシュートはGK正面
11分、オランダ交代枠1つめを使う。マカイセン→ファンデルファールト
12分、マニシェ枠をとらえるシュート
13分、シュナイデルのシュートをリカルド好セーブ
14分、デコがジオに倒されFK獲得。そんなに跳躍しなくてもというくらい派手に吹っ飛んだ。両チーム入り乱れて騒然とする。小競り合いでフィーゴが頭突きしてイエローカード。審判どうしの無線、コミュニケーションシステムでばれた。シモンのシュートはポストのわずか上
17分、ブラルスがフィーゴにファウル。2枚目のイエローカードで退場。これで10人対10人。スコラーリはいきり立つベンチメンバーをなだめて落ち着かせる
22分、ファンボメル→ヘイティンガ
22分、カルバーリョが右足を痛める。ベンチ前でデコとスコラーリが話し合い
27分、レフェリーボールをオランダが返さずキープして攻め上がる。デコがスライディングで止めて1枚めのイエローカード。シュナイデル、ファンデルファールトにもイエローカード。スポーツマンシップに反したのはオランダ側だった
31分、GKリカルドが遅延行為をとられイエローカード
32分、ヌノ・バレンテにイエローカード
32分、ファウルで止まった場面、コクーがデコにボールを要求。一瞬拒んだデコに2枚目のイエローカード。デコ退場。これでイングランド戦は出場停止。カードのない状態でベスト4準決勝(恐らくブラジル戦)に臨めると考えるしかない
コクーはデコを羽交い締めにして後ろに引き倒す。この後いくつかの試合でイエローを誘う「ボールをよこせ」トラップが見られた
ベンチのスコラーリ が映る。なにやら指示を与えている。その手の動きが「引き上げろ」ともとれる。まさか試合放棄か?いや、この状況でも冷静にフォーメーションの変更指示だ。このあたりが、試合中に頭に血が上って采配が鈍る、どこかの監督とは違う。実に頼もしい
35分、リカルドが1対1の場面をスーパーセーブ。ここでフィーゴ→チアゴに交替かと思ったらスコラーリが制止。このようにラインをまたぐ前ならば、交替は取り消すことができる
43分、カイトのシュートはリカルドがセーブ
additional time:6分
49分、ジオが退場。これで9人対9人。FCバルセロナ の3選手は一人もいなくなった
退場した選手はベンチには戻れない。一ヶ所に固まって観戦。バルサでは同僚のデコとジオが話している。デコは手振りを交えて何かを力説している。ジオがそれを聴いている。この映像はダイジェスト番組でも使われていた
52分、ロスタイムに入ってからのロスタイムをさらに1分取って試合終了。激闘と言うよりは品のない試合がようやく終わった。カードの中には醜い小競り合い、ラフプレーに起因するものがあった
【試合後】
1−0で試合終了
重なり合い喜びを爆発させる選手たち。スコラーリが掲げていた「ベスト8の一角」に入った。スコラーリW杯 11連勝。自らの連勝記録を伸ばす。W杯監督最多勝がみえてきた
デコはベスト8イングランド戦は出場停止。次戦はベスト4ブラジル戦となる見込み
マン・オブ・ザ・マッチは決勝点を挙げたマニシェ
次戦は5日休んで7月1日(キックオフ:日本時間2日0時)
1試合4人退場は大会新記録。警告16はタイ記録。ポルトガルは先に退場者を出しながら勝利した、W杯史上初めてのチームとなった
■ オランダ代表ファン・バステン監督談話
「フィーゴのあのような行為(ファン・ボメルに頭突きをした)は残念だ。ハーフタイムに入って、選手たちには冷静になるよう呼び掛けた。後半の45分間は自分たちのサッカーができなかった。ファウルと警告の連続だったからね」
(FIFA公式サイト)
■ スコラーリ監督談話
「こんなにうれしいことはない。ポルトガルの選手たちが、今回のようなプレーを見せてくれたのは本当に久しぶりだ。次のイングランド戦でのメンバー構成は少し難しくなったが、それも私の仕事の1つだ」
(FIFA公式サイト)
■ FIFAブラッター会長談話
ロシアのイワノフ主審について
「主審は選手たちと同レベルではなかった」
決勝トーナメント2回戦(ベスト8)
イングランド 対 ポルトガル
【プレビュー】
デコ、コスチーニャが出場停止。デコ抜きの戦いはグループリーグで2度実戦テスト済。オランダとの激戦を勝ち抜いたチームはフィーゴを中心に意気上がるだろうし、クリスチアーノ・ロナルド も5日休めば回復してくるだろう。ベスト4で当たるブラジル戦をベスト・メンバーで迎えるためにも不用意な警告には万全の心構えで臨むはずだ
【試合前】
ホーム扱いイングランドのファーストユニフォームは「白」。今大会2度めのアウェーゲームもファーストのワインレッドを着る
7番のキャプテンどうしベッカムとフィーゴが談笑。2004-05 までレアル・マドリー での同僚。微笑ましい。この二人が準々決勝恒例、人種差別反対宣言をそれぞれ読み上げる。これだけの注目の舞台、素晴らしい取り組みだ
主審はアルゼンチン人オラシオ・エリソンドさん。アルゼンチンが昨晩、敗退したことでこうなったのだろうが、英国人は複雑な心境だろう
【前半】
10分、ロナウドがポルトガル初 シュートを打つと、ここからポルトガルの時間帯に移行
19分、ロナウドが駆け上がってのシュートはバーの上へ
29分、テリーにイエロー。ポルトガルは相手陣地前でパス相手を探すシーンが多い。あの選手の不在が効いているのが明らか
40分、ポルトガルようやく初 CK。フィーゴが蹴りチアゴのヘディングシュートはGKが弾く
43分、ペチにイエローカード。これで準決勝には出場できない。ベッカムのFKは壁に当たるとニッテレの鈴木健アナは思わず「残念!」と叫ぶ。この放送はイングランドファンクラブ向けの放送らしい。解説の奥寺、武田も追随する
44分、ランパードがシュート。リカルド横っ飛びで好セーブ
additional time:1分 0−0で終了
【後半】
6分、右足を痛めている様子のベッカム→レノン。レノンの右からの速い切り込みに、この後、手を焼くことになる
7分、CKからフリーのシュートをランパードが外す
13分、コールの決定的なシュートが外れる
17分、ルーニーとリカルド・カルバーリョ(チェルシー)が激しくボールを争い共に倒れ込む。リプレイではルーニーが起きあがりざま、カルバーリョの股間をぐにゃりと踏みつけている。ロナウドが駆けつけ「踏んだぞ!」と主審に抗議。ルーニーは困ってロナウドを引っ張った後、軽く押す。主審はルーニーを呼びレッドカード を提示。解説の奥寺さん「なんでなんかなぁ」実況陣は軽く押しただけでレッドカードが出たことに憤っている
生中継ではそう伝えなかったが、6:00のNHKニュースではルーニーが倒れたカルバーリョの股間を踏みつけているシーンを流し「相手選手を踏みつけて退場処分」と伝えた
4月末のプレミアリーグ 、ルーニーはチェルシーのフェレイラ(ポルトガル代表)のタックルを受け右足甲を骨折した。因縁はここに繋がっていた
主審のエリソンドさんはこの後、イタリア 対フランスの決勝でも主審を務めた。この試合でのジャッジが高く評価されたということになる
パウレタ→シモン スコラーリは戦況、調子を見極めるとエースストライカーでさえあっさり下げてしまう
19分、コール→クラウチ チアゴ→ビアナ
ここで、スコラーリが外国(異国)人監督でのW杯制覇となれば史上初というデータをニッテレが披露
33分、バレンテが痛んで外に出ているが試合は続く
36分、ビアナのシュートをGKが止める。ルイコスタの10を受け継ぐ彼に期待が膨らむ
37分、FKからのシュートをリカルドが止め、こぼれた絶好のボールにレノンの足はヒットせず
39分、マニシェのシュートはポスト上
40分、フィーゴ→ポスティガ これでポルトガルは先に交代枠を使い切る。キャプテンマークはシモンへ
45分、マニシェ今日4本めのシュート
additional time:3分
47分、きわどいピンチをしのいで0−0で終了
【延長前半】
2分、ペチがシュート
4分、シモン、ミドルシュート
8分、ピンチをしのぐ。ボールは一方的にポルトガルにあるが、時折の反撃でいいカタチを作るのはむしろイングランド
14分、ロナウドのみどるはわずかにバーの上をかすめる
【延長後半】
2分、ハーグリーブスにイエローカード
3分、ポスティガのゴールはオフサイド。スコラーリは「みんな違うぞ!」と冷静に諫めるジェスチャー
5分、カルバーリョにイエロー
7分、ロナウドのヘディングシュートはGK正面
9分、ペチのミドルシュートをGKがキャッチ
13分、イングランド最後にようやく交代枠3つめを使う。レノン→キャラガー 守備固めかPK 戦のキッカー要因か?
additional time:1分 マニシェが最後にシュートを打って終了
トータルのシュート数はポルトガル20−9イングランド
ボール支配率はポルトガルの57%
【PK 戦】
スコラーリ がベンチに腰を掛け、メンバーリストを書く
場内はケセラセラが流れる。ジェラードの応援歌にもなっているらしいが、この大合唱は彼を鼓舞しただろうか?
スコラーリがボードでリカルドに指示。リカルドは練習中かと思うような落ち着き。給水しながら指示を聞いている
先攻はポルトガル
シモン ○ GK左に飛びその手の先へ決める
ランパード × リカルドが右に飛んで弾く。ジェラード半泣きの表情が映る
ビアナ × GKは右に飛んだが、左ポストに当てる
ハーグリーブス ○ リカルド左に飛んで触るがゴールイン、惜しい!
これで1−1の同点
ペチ × GK左に飛ぶ、マウスの左へ外す。一瞬あれ?と思う
ジェラード × リカルド右に飛び弾く
3人を終えて1−1
ポスティガ ○ GKは飛ばず、左へ決める
キャラガー × 一度ゴールインしたが笛の前でやり直した二度めリカルドが弾いた球はポストに当たり跳ね返る
これで2−1。5人目が決めれば勝ち
ポルトガル5人めはイラン戦PK を左に決めているクリスチアーノ・ロナルド 。ゆっくりと走り出す。イラン戦同様そこで少し突っかけてフェイント。GKは左へ飛ぶ。GKがいなくなったマウスの右へ決めた
【試合後】
スコラーリ談話 (ポルトガルのテレビ局向け)
「決勝進出という目標を達成できる可能性が出てきた」
「だが自分たちの考え方を変えるつもりはない。一歩ずつ物事を考えていくという姿勢だ。」
「イングランドは素晴らしかった。10人になりながらも、信じられないような衝撃的な戦いぶりをしていた。11対11で戦っているかのようだった」
孫子の兵法 に学んだスコラーリ。敗者への慈しみを忘れぬ心は美しい
試合後ニッテレ日本のスタジオにいた北澤が「ポルトガルが優勝してもおかしくない」とコメント
ここまで来たら、100万人くらいのサッカーファンがそう言えるはずだ
試合前、イエロー1枚を持っていたのはリカルド、フィーゴ、バレンテ、マニシェ、ペチの5人。次戦出場停止はペチだけで済んだ。次戦はデコ、コスチーニャが戻る
次戦は3日休んで7月5日(キックオフ:日本時間6日4時)
準決勝(ベスト4)
ポルトガル 対 フランス
ワールドカップスタジアムミュンヘン(アリアンツ・アレナ )
【プレビュー】
このカード、W杯では初 対戦
ポルトガルがホーム扱い
ジダン、アンリ を封じるスコラーリの策が注目ポイント
試合前、イエロー1枚を持っているのはリカルド、フィーゴ、バレンテ、マニシェ、リカルド・カルバーリョの5人。ペチが累積警告2回で出場停止。準々決勝で出場停止だったデコ、コスチーニャが戻る
リカルド、フィーゴ、マニシェがカードをもらわず決勝に駒を進めたい
【試合前】
バイエルン・ミュンヘン:赤 、1860ミュンヘン:青 、ドイツ代表:白 と装いを替えるスタジアム。今日のライトアップは白(現地で確認)
ポルトガル国歌は感動的。CDが欲しい。デコは今日も口は動いている。カメラがデコの前で立ち止まると少し戸惑いの表情を浮かべる
もちろん、デコはすでにシャツを外に出している
ペチが出場停止。イエローカードを1枚持っているのはリカルド、フィーゴ、バレンテ、カルバーリョ、マニシェの5人
コイントスに勝ったフィーゴがサイドを選ぶ
主審はウルグアイのウォルテ・ラリオンダ Walter Rial さん。最終的には彼が大きな役割を果たすことになる
【前半】
1分、フランスのマルーダが初めてのシュート
4分、デコがシュート。コースが絶妙で緩い当たりだったがGKが弾く。ここからポルトガルペース。
6分、どこでもデコが始まる。後ろでボールを受けていたかと思うと、前線でFWにパスを出している。解説者はデコをベタ誉め
7分、フランスのCK、ジダンが蹴る
9分、マニシェのミドルは枠のわずか上
10分、デコが1タッチで前へつないでいく。ポルトガル側が格段に創造的なサッカーをしている。この時点のボール支配率は50%
14分、ポルトガル初CK フィーゴが蹴る
16分、フィーゴのミドル。打った後ビエラとぶつかり担架で一旦外へ
19分、ポルトガルが圧倒的にボールを持つ。パウレタはよく前のボールを追っている
23分、左フィーゴ、右ロナウドとサイドチェンジしている
25分、デコがファウルをもらう(マケレレ)
27分、デコ驚異的な跳躍力をみせファウルをもらう
28分、アンリの初シュートは当たらず
29分、ペナルティ・エリア内アンリとカルバーリョが競り合う。アンリ はこぼれ球を拾うより、尻餅をついたカルバーリョの足にひっかかることを選択。主審ラリオンダさんはPK と判断
結果的に、アンリのこのプレーは、PK判定に一石を投じることになった
33分、ジダンが決めてフランス先制。リカルドは読み切って(キッカーからみて)左に飛び、かすかにボールに触れたがゴール
36分、ペナルティ・エリアでロナウドが押されたが、主審ラリオンダさんはPK をとらず
43分、ロナウド右足でシュート
【後半】
既定の時間が過ぎ、ポルトガルイレブンが全員待っているが、フランスは誰ひとりピッチに出てこない。サッカーのルールでは相手を待たせることは反則ではない
2分、ケアレスミスでアンリにボールを渡す。独走後のシュートはリカルドがよく弾く
7分、パウレタのシュートは左サイドネット外
13分、ミゲルが足を傷める
15分、ミゲルベンチに交替を求める
16分、フランス選手はボールが顔に当たっただけで、しばらく倒れ込む。フランス選手が傷んで倒れるシーンが多い。これもサッカーなのだろう。フランスはずっと引いて守っている
16分、ミゲル→フェレイラ
22分、パウレタ→シモン シモンが左へ入り、ロナウドが中央に回る。シモン、早速ドリブルで仕掛ける
26分、左CK デコが蹴る
27分、リブリ→COVOU
29分、コスチーニャ→ポスティガ これで3枚の交代枠を使い切った
30分、左からいいボールが入るがシュートに至らず
31分、ロナウドがFK。無回転で鋭く落ちるボールをGKがファンブル、詰めたフィーゴが枠の上に外す。この試合最もゴールに近づいた場面となった
35分、ロナウドが得たファウル、フィーゴが蹴るが入らず
37分、カルバーリョにイエローカード。これで次戦出場停止
39分、アンリ→サハ
40分、サハにイエローカード。サハは次戦出場停止
additional time 4分
+2分、メイラのミドルシュートは大きく枠の上
+2分、CKにリカルドが上がり11人攻撃に移行。続くCKをデコが蹴る
+4分、ロナウドがDFの裏に抜けるがオフサイド位置。ロナウドがボールに触る前にGKが弾く、その球をゴールしたが、判定はオフサイド
ここで長い笛
ポルトガルのボール支配率は59%
【試合後】
スコラーリ談話「ポルトガルはよく戦った。サッカーとはこういうもの。南米のサッカーはこんなものだ。審判に文句はない。(2年後まで続けるか?)それはわからない。まだ何も考えていない」
フィーゴとジダンがユニフォーム交換
デコは誰ともユニフォーム交換せず、そのまま引き上げた(現地で確認)
フリーライター 金子達仁は「ワールドカップドイツ06観戦記」でこう書いている
(以下引用)
この日フランス代表がみせたサッカーを、フランス人以外の誰が喜んだだろう
もはや、「シャンパン・フットボール」は死語となった。強豪相手に真っ向からの撃ち合いを挑み、壮絶に散っていったフランスは思い出の中だけに生きている。
(引用おわり)
3位決定戦
ドイツ 対 ポルトガル
シュツットガルト
【プレビュー】
ドイツがホーム扱いで「白」のユニフォーム。ポルトガルはアウェイ扱いなので、いつものファースト、ワインレッドが順当。一度も着ていない「黒」をぜひ見たい!だが、反人種差別キャンペーンのシンボルカラーだけに白×黒はちょっとどぎついか
累積警告2回でリカルド・カルバーリョが出場停止
主審は上川徹、副審 広嶋禎数。3位決定戦を日本人が裁くのは初めて。公正かつ正確なジャッジで、さらにその評価を高めることを望む
ドイツは中3日、ポルトガルは中2日。ドイツにはホームの絶大なる応援があり、ポルトガルにはフィーゴのラストマッチを勝利で飾りたい一体感がある
【試合後】
フィーゴとカーンが健闘をたたえ合う
ルイス・フェリペ・スコラーリ 監督コメント
「本来、3位決定戦というものは好きじゃない。勝ったほうは実際には何も勝っていないし、負けたほうは敗北を味わって大会を去ることになる。そんな印象を持って大会をあとにするわけにはいかない。我々は世界の4強なのだ
(上川主審について)とても良かった。多くの人が、日本の審判がこれほどのレベルだとは思っていなかったはずだ」
2003年3月、A gol que mudou tudo で始まったデコのW杯、3年3か月の旅は終わった
4位でしか経験できない「W杯の決勝トーナメントを2連敗で終わる」という経験は確かに悲しかったかも知れない
だが、初挑戦にして「197分の4」(予選参加国197)という結果は、永遠に祝福されるに値するだろう。
サッカーの同一シーズン(8月〜翌年7月)に国内リーグ、欧州CL 、W杯の三冠を制覇したのは、1973-74シーズンにバイエルンに所属していた西ドイツ代表メンバーのみ(ベッケンバウアーやミュラーなど)
2006年W杯では、バルサメンバー10人 にそのチャンスがあり、デコがその可能性を最も遅くまで残していた
→→デコのW杯 2010
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初出2006年6月