スペインのFCバルセロナ寄りスポーツ紙ムンドデポルティーボには、デコ記者が定期的に寄稿している。
W杯決勝トーナメントベスト16 オランダ戦直前のデコ記者寄稿を翻訳して紹介する。
ESCRIBE DECO
歴史を変える
オランダとの試合まで残り時間わずかとなった。
外転筋の調子は相変わらず思わしくないが、医者の助けもあり
Giovanni van Bronckhorst やMark van Bommel とどうにか闘えそうだ。
フランクフルトで見た アルゼンチン対オランダ戦 のように非常に
緊迫した試合になると思う。
ポルトガルもオランダも、攻撃的で、見せる試合をしたいと思って
いる。
しかし、両者ともベスト16のチーム。ゲームの中身は濃いだろう。
最初のゴールを決めた方が、勝利を得る予感がする。
試合中は、そんなに多くの得点チャンスはないはずだ。たとえ1つ
でも外すことは許されない。決めた方が勝つ!これは間違いない。
これから真のワールドカップが始まった。
難しい試合が、この段階から始まる。緊迫のレベルはそのつど増し
て行く。
先日話した 'mata-mata' だ。
いくらここ数年、オランダとの相性が良いとはいえ、油断のできな
いゲームだ。2004年のユーロカップ、セミファイナルで僕達は
2−1でオランダに勝っている。でも、それはもう過去の事。前後
にどんな試合をしていようが、それは全く関係ない。もし、今回オ
ランダに勝てば次はイギリスだ。そして、スペインが意表をつかな
い限り、次はロナウジーニョのブラジルと当たる。
どのチームと当たろうとも、それは喜ばしい事だ。
とにかく、オランダに勝てば、良いところまで行けると確信している。
ポルトガルは1966年のイギリス大会でセミファイナルを戦った。
スペイン同様、僕達に足りないのは、代表チームとしての優勝だ。
ブラジル、アルゼンチン、ドイツ、イタリアは、ワールドカップ優
勝国の常連だ。この2006年のドイツ大会で、僕達が歴史を変え
ることができるだろうか。
僕は、チームの '4-2-3-1' の戦術は、非常に良いと思う。
古いとか、保守的だとか言う人もいるが、僕はそう思わない。
戦術は選手を良くも悪くもする。上手に応用された僕達の戦術は、
バランスが良く、メディオセントロまで行き、早さを保ったまま、
攻撃のポジションにつくことができる。
Pauleta はFigoの浮標となる。後ろから出てくる Cristiano Ronaldo、
Simaoや、僕や、Maniche は攻撃者となる。そして、逆にボールを
奪われたときは、直ぐに撤退する事ができるのだ。
今大会で僕は特にアルゼンチンを応援している。でも、ブラジルは
ブラジル。まだ、先は長い。きっと、試合ごとに内容はよくなって
いくだろう。
・アンドレスは価値のある、いやそれ以上の人間だ。
僕はアンドレスのスペイン代表デビューが嬉しかった。
何も、お祝いはしてないけど・・・
彼の力、彼の仕事を発揮するときが来た。
僕は彼の人間性についても語りたい。彼は本当に良いやつだ。
いつも控え室で皆を和ませてくれる。代表でこのままプレーできる
よう、僕は声援を送りたい。
・Laporta 会長の失念は納得できる
会長Joan Laporta が、バルサの新作ユニフォームの発表会の席で、
僕に関する発言を一言もしなかった事は知っている。
でも、それは別におかしなことではない。いつも僕のことについて、
発言する必要はないのだから。
でも、ビデオの中に僕がどこにも映ってなかったのは、おかしなこ
とだ。だって、僕はバルサのメンバーとして他のメンバー同様、
スペインリーグ、チャンピオンズリーグでタイトル制覇に貢献した。
ビデオの件に関しては、バルサの責任ではなく、ナイキの責任だと
思っているけど…ちょっと考えてしまう。
僕は、バルサ、そしてバルセロナにいる事に幸せを感じている。
今のところ、全て断っている沢山のオファーがあることは事実だ。
この記事はムンドデポルティーボ「ESCRIBE DECO」2006年6月25日掲載を翻訳した。
translated bola