1億総背番号

最終更新 2007/1/5
1970年に参議院議員、中山太郎が発表した著書

提唱していること
個人、場所、時、事業所、商品、交通機関、保険、医療など、処理の対象となるデータすべてに統一コードを与える
行政機関、企業、個人の統一コード

懸念として挙げていること
警察国家、管理社会になる恐れ
個人のプライバシーの侵害

”住民がコード化され、その情報処理が公開制を持たず、官僚に利用される時、地方自治体は、機能を失う”といった趣旨の懸念を表明したうえで、”ただしそれは、国民番号の問題と言うよりも、政治のあり方の問題である。だからこそ、情報化時代における政治機構には重要な原則が必要である”とした
そして、具体的には、三権のデータベース(本文ではデータバンク)を相互に接続しないという原則を堅持すれば、警察国家、管理社会になることはないと結ぶ

206頁にはこう書いてある
(以下引用)
「プライバシーのおそれがあるから反対する」という意見は「ハイジャックがはやるから飛行機を廃止しろ」というのと同じで社会の進歩に逆行するものである
(引用おわり)

住基ネットを論ずる時、ただ、闇雲にクラッカー(一般的にはハッカー)の能力を高く評価して、情報漏洩を決定事項と決めつけるのではなく、データベースを運用する原則について、具体的な提案をする時期に来ている



参考文献 
「1億総背番号」中山太郎 日本生産性本部 1970年12月20日

中山太郎は1924年、参議院議員の父と、1961年池田内閣で厚生大臣を務めることになる母の間に大阪市で生まれた。大阪府議会議員を経て参議院に当選。医学博士ながら、情報処理に明るく、情報産業振興議員連盟を立ち上げ「人間のための情報化」に取り組んだ

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