概要
■激戦となるチケット購入の申し込みから、当日会場に足を運ぶことまでを総称して参戦という
参戦という言い方がいつから使い始められたか
■いつから使い始められたかについて、定説はない
■定着したのは、以下の要因により2000年代以降と推察する
■愛すべき音楽家のもとに、全身全霊をもって駆けつける行動を象徴する言葉として「参戦」が好まれている
一方、作為的な熱狂を求めない者にとっては「お調子者による言葉の誤用」であり、正しい日本語を使わない者への嫌悪感を抱かせている
2つの参戦
【1】公演そのものへの参戦
・2000年代に入り、音楽家はライブの収入源比率を上げた。それまで以上に十分な準備をして質を向上させたことで、ライブの価値が高まった
・情報化社会が先鋭化。聴き手はライブ体験を通して、音楽家・ファンと同じ場所を共有する機会を、以前に増して求めるようになった
【2】チケット購入への参戦
・1999年にヤフオクが始まり、入手困難なチケットの転売がインターネットで行われ始めた
・興行収入を上げるため、集客方法に工夫を凝らし始めた
◆底流にあるのは、2000年代に入り、音楽データがインターネットで「盗み放題」の時代となり、音楽CDが売れなくなったこと
聴き手にとって「演奏力」「歌唱力」が高い音楽家に直接触れることは、日常にない大きな感動であり、それが再体験欲求につながっている
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