しらべるノートブック

なぜ、鹿児島の人は熊本を嫌うのか

最終更新 2013/5/12
鹿児島の人が熊本に敵愾心を抱く理由

鹿児島に住む50代以上の人の中には、熊本を嫌っている人が多い。

仕事で福岡から鹿児島に出張に行くとする。
福岡空港から鹿児島空港に入る、あるいは太宰府インターから九州自動車道に乗り、寄り道せずに鹿児島へ入る場合には問題ない。
だが、先に熊本の取引先に寄った後、その流れで、鹿児島に入るといい顔をされない。
「熊本が先」「熊本から入ってくる」という行為にアレルギーがある。

その理由は明治維新末期、鹿児島の英雄西郷隆盛を失った「西南の役」にある。
西郷隆盛が率いる薩摩軍と明治政府軍が戦い、明治政府軍が勝利を収めたこの戦い。政府軍は熊本城に拠点を構えて鹿児島に攻め込んだ。
この史実が熊本への反感の元になっている。
熊本城はこの戦いで天守を焼失しており、熊本県民にも鹿児島への恨みがあってよさそうだが、それはこれまで聞いたことがない。


2010年9月3日のこと。
2012年3月に全線開業する九州新幹線で速達列車のダイヤ名が「みずほ」と発表されたのを受けて、鹿児島県の伊藤祐一郎知事(当時62歳)は定例会見で次のように述べた。
「他の列車で使われていた名前なのであまり好きじゃない。熊本で止まっていたやつの名前が付いちゃったんですよ。JRから事前に相談があったら反対していた」

「みずほ」は1961年から1994年まで、東京〜熊本間の寝台特急で使われていたダイヤ名。
"熊本で止まっていたやつ" が、県境を越えて、鹿児島に入ってくることが県知事のしゃくに障ったようだ。

9月15日、正式開業日を発表後、JR九州が博多駅と鹿児島中央駅にカウントダウンボードを設置した。
そこには西郷隆盛のイラスト・キャラクター「西郷どーん」が描かれている。
これに対して、今度は熊本が怒る。
「熊本は新幹線の通過点になるという意味か」
熊本市の自治会会長らが9月21日、JR九州熊本支社にデザイン変更を求める要望書を提出した。

9月29日、熊本駅に設置されるカウントダウンボードには「西郷どーん」ではなく熊本県のゆるキャラくまモン」が描かれることになった。

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